The Grizzled / グリッズルド

レビューKei

Product by:
Kei

Reviewed by:
Rating:
5
On 2018年12月18日
Last modified:2020年5月30日

Summary:

//ws-fe.amazon-adsystem.com/widgets/q?_encoding=UTF8&MarketPlace=JP&ASIN=B07FTQW6M3&ServiceVersion=20070822&ID=AsinImage&WS=1&Format=_SL250_&tag=dmdc-22

プレイ人数:2~5人
プレイ時間:30分
対象年齢:14歳~
デザイナー:Fabien Riffaud

ハイ、みなさんこんばんわ。
今夜のゲームは「The Grizzled」です。Grizzled、白髪交じりと言う意味ですね。灰色熊をグリズリーなんていいます。若き友人達が白髪交じりになるまでを表現したゲーム、人の歴史を感じますね、ロマンチックですね。でもこのゲームとっても怖く、難しく、でもかなしくてあったかい、とっても不思議なゲームなんですね。
今日はそんな「The Grizzled」、このゲームの話をしましょうね。

このゲームを作ったのはですね、フランスのFabien Riffaud、ゲームはこのゲームが初めてのリリースになります。ちいさなちいさなアイディアをちいさな箱に詰め込む、これは最初日本で言う同人ゲームに近い形のものだったんですね。
ガラパゴスやT-REX、マヤの黄金といったゲームを手がけた大ベテラン、今は出版支援を主にやっているJuan Rodriguezの手助けを受けながら世に出したんですね。

「The Grizzled」どんなゲームでしょうか。
コンポーネントのほとんどはカード、それにいくらかのチップとスタートプレイヤーマーカー、シンプルですね、ベーシックです。ゲームはカードをめくってそのカードを解決していくことで進みます。そういうとっても古めかしいタイプのメカニズムのゲームです。

このゲームは戦闘がないんですね、リソースも、HPもない。ラウンドもない、プレイヤーに数字をほとんど見せないんですね。あるのはただプレイヤー同士の信頼関係と友情だけなんですね。その場その場で順番にリーダー役を持ち回り、ほかのプレイヤーはサポートする、リーダー役は解決するカードの枚数を決めてめくり、みんなで力を合わせて解決する。それ以外なにもないゲームなんですね。なんというゲームでしょう。

こういう話をするとゲーマーの方は嫌な顔をなさって生意気な事を言うんですね、殴り合いも戦略性もないなんてNot for meとか、協力系は奉行がうるさいとか、そういう主張をなさるんですね。怖いですね、好き勝手おっしゃいますね。さらにはカードをめくるだけなんてただの運ゲーじゃないか、なんて事まで言い出します。

生意気ですね、もちろんそんな生意気なゲーマーって言うのはわたしの事なんですけれども。

わたしからすると「The Grizzled」はゲームなんかじゃないんですね。じゃあ何かと聞かれれば、英雄譚ですね。カードゲームの形を借りた、これは尊敬すべき英雄を吟遊したものなんです。ですからゲームそのもではないですね。「The Grizzled」が公開されるとヨーロッパのゲーマーはみんながやがやとさわがしくなりました、その波がとどくとアメリカでもこう、わぁーっとなりました、翻訳されて英語になりますと、日本でも特に海外のゲームに敏感なプレイヤーの方々も、ごく少数ですが、こう、わぁーーっとなったわけなんですね。
英語展開がはじまるとBoard Game Geekでも200位ほどまでランクを上げ、Meeple Choiceを皮切りにGolden geekのありとあらゆる賞にノミネートされはじめました。

BGGでランクが高い、賞をとった、ノミネートされた。だから面白いゲームなんて事があるわけないんですよ。でもね、たくさんたくさんの人がですね。この「The Grizzled」を楽しんだんですね。カードをめくるだけの事によろこび、笑い、嘆いて、そして感動したんですね。わたしもたくさんたくさん遊びました。
いい歳をした大人が集まって、この難しいカードゲームになんどもなんどもなんどもなんども続けて挑戦しました。なんでなんですかね、カードをめくるだけなんですけどね。
わたしはこのゲームをやってアートワークが良くて、フレーバーが良い、そしてストーリーをカードゲームでこういうふうに表現ができるのかと、とっても勉強になりました。

召集令状

さてそんな吟遊される「The Grizzeled」どんなストーリーなんでしょうか。
まず、こう箱のふたをぱかっとあけるわけですね、そしてコンポーネントを取り出す。みなさんゲームをはじめるときはこんな感じにはじめますよね。わたしもです。
するとですね、最後の箱の底一面を覆っていたサマリーを取り出すと、箱の底に召集令状がでてくるんですね、いやですね、衝撃ですね。こうして物語の中にぐーーーっと引き込まれていくわけですね。上手ですね。

招集されるのはデザイナーのお友達のおじいちゃんとそのお友達をモデルとしたキャラクター達、これはそう、セミドキュメンタリーなんですね。デザイナーのFabien Riffaudは自分の育った小さな村の老人の戦争体験の話をもとにこのゲームをつくったわけなんですね。
ちいさなちいさな村の英雄なんです。でもね、この英雄、たくさんの敵をこう、えいっ!っとやっつけてみんなにすごいすごいって言われたような人ではなかったんですね。

戦争なんてみんな悲惨で悲しいものです、でも舞台となる一次大戦の西部戦線塹壕戦、歴史上もっとも非人道的な戦場とも言われてるんですね。悲しみが渦巻くこわいこわい場所だったんですね。この村の英雄は子供の頃から一緒に育った友達とこの戦線に送り込まれたわけなんですね。昼夜関係なく訪れる爆撃、頭を上げるとすぐに死に至り、風が舞い込むだけで皮膚や目がただれ落ちるガス、夜になれば夜襲、そして寒波と大雪もおそってくる。そんな大変な場所だったんですね。こんな場所に現代のみなさんを送り込む、Fabien Riffaudはなんでこんな事をしたんでしょうかね。

「The Grizzled」はこの悲惨で非人道的な戦場をくぐり抜け、友とともに故郷に帰り、みんなで白髪交じり – Grizzled – になるまで生きる。それをこうカードでばーんと表現したわけなんですね。お友達を励まし、ただみんなと生きて帰ったおじいちゃん、やっぱり英雄なんですね。語り継がなくちゃならなかったんですね。その思いが詰め込まれているのでたくさんの人がなんどもなんどもカードをめくり、Grizzeled達を帰還させるまで頑張ってるわけなんですね。
この悲惨な戦場をとってもとっても難しいカードで表現して、ゲームデザインでおじいちゃんたちがどれだけ英雄的な行動をしたかを詰め込んでるわけなんですね。

死に面しているような大ピンチに何度もおちいったのでしょう、そんな時にお友達を励ます言葉、トークンであらわされているんですね。このトークン、文字があんまり読めないんですね、文字が読みにくいゲームのコンポーネント、あんまり褒められた物では無いですね。でもですね、心に響く1センテンスだけははっきりと描かれてるんです。怒号の中かろうじて聞こえたこのたった一つの言葉で、チームは大ピンチを凌ぐ事ができるんですね、ほんとうにかろうじてですが、ゲーム中ピンチに直面した時に使うこのトークンが、この一言が無いと生きては帰れなかった事をとっても見事に表現しているんですね。

場に出ているカード1種をひとまず解決してくれる励ましの言葉

カードで色々なイベントが起こるんですがこれがすべて、何もかも全部嫌なイベントなんですね。夜襲があったり寒波が訪れたり、トラウマをかかえ病気にかかり、どんどん帰還が困難になります。

イベントはマイナス効果ばかり

そんな冬に一筋、本当に一筋の光明でプラス効果のあるクリスマスカードが届きます。この一枚、悲惨な戦場でただ1つだけ、唯一嬉しかった事なんですね。なにもかもマイナスなイベントに、1枚だけこのカードを入れる事でそんな光景がまぶたの裏に浮かぶように見事に表現されてるんですね。上手ですね、天才的な表現力です。

唯一のプラス効果カード

戦線を生き延びると平和の象徴の白いハトがでてくるんですね。たいへん難しいゲームです、プレイングだけでなく運もないとクリアできません。そのご褒美がカード一枚見えるだけなんです。でもですね、このカードを見た瞬間にですね、みんなで一緒に理不尽に打ち勝った感動がね、こうぐわーっと訪れるわけなんです。せつないですね、でも嬉しいですね。振り返っても楽しいより苦しいが多いんですね。それでもこのキャラクター達を帰還させたくて必死にプレイする感情、他のゲームではちょーっと味わえない独特なものなんですね。そんな「The Grizzled」のお話をですね、今夜いたしました。

 

 

・・・うん? なんですかね、このゲーム時間はそんなにかからないので、まだちょーっと時間が余ってるみたいですね、ゲームの事ならなんでも話するのでみなさん質問してください。 あらら、皆さん黙ってるだけですね、シャイな人が多いんですかね。

それじゃもう少し、拡張のお話をしましょうか。
このゲームとってもとっても反響があったので拡張が出てるんですね、拡張にはキャラクター達の立てられるトークンが入ってるんですね。これだけでもファンはちょっと嬉しくなっちゃいますね。他にもバランス調整と追加ルール、ソロ用のルールと二人プレイの大幅な調整がはいってます。
ゲームとして運の依存度がかなり下がってより戦略的になってるんですね。より完成されておもしろい調整になってます。おすすめですね。
でもですね、なんというか運でどうにもならない理不尽さが無くなったぶん、外連味は薄くなってるので特徴は少し薄まってしまってる感じはありますね。
何度か基本でひぃひぃ言ってから入れるのもいいかもしれません。
この拡張は和訳シールをあのHAL99さんが公開なさっててくれており、こちらを使用したレビューのご許可も頂いているのでまた皆さんに紹介できると嬉しいですね。

さらに執筆時点でArmistice Editionと言う本体に着色済みフィギュアとミニ拡張をセットにしたものの発売がアナウンスされてるんですね、これはなんと2018年のクリスマスイブに発売されます。Merry Christmasに込められた意味このセットを買うような方にはよーくおわかりになるでしょう。
さらにさらに今ならGroupSNEさんから基本セットの日本語版が発売されていて、拡張セットも発売予定とのアナウンスがありました。うれしいですね、ありがたいですね。

わたしデジタルゲームの方もとっても好きで別のところでデジタル版の似たゲームもお友達にお勧めしてるんです。機会があればこちらのお話もできると嬉しいですね。

そろそろお時間のようですね。Kei川長治がお話ししました。
それでは次のゲームをご期待下さい。

サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。

 

 

The Grizzled / グリッズルド

5

One Comment on “The Grizzled / グリッズルド”

  1. Pingback: Grizzled At Your Orders / グリッズルド拡張レビュー | 今日も駄目ダイス

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です